こんばんは、お疲れ様でっす!
こんばんは…。
あらっ、涼ちゃん、滝沢くん、いらっしゃいませ!今日も一緒なのね!
はい、おかげさまで近所のマンション改修工事、だいぶ進んで来ました!
おかげさまで…。
はじめて任された現場だから大変だわね!
いやいや、任された訳ではなくて先輩の指導のもと若手二人に勉強の場を与えてもらっているだけですよ。
会社やマスターのところからも近い現場だし、何かあったらすぐ飛んで行けるからって。
涼子さん、滝沢さん、いらっしゃいませ。
私は飛んで行けませんがお二人とも頑張っていらっしゃるようですね。
今日も生ビールからでよろしいですか?
はい!
波子さん!生二丁いただきました!
はい、生ビールお待たせしました。
今日も一日お疲れさま!
ありがとうございます!
乾杯!お疲れ様~!
乾杯…!お疲れ様でした…!
ぷはーっ!
くはーっ!
あらあら、すっかり息もぴったりのコンビね!
いえいえ…。まだまだ足を引っ張るばかりで…。
今回のマンション改修工事、小規模だって言っていたけど、どんな工事をしているのかしら。
はい。今回小規模と言うのは工事が小規模ということではなくて、工事をしているマンションの規模が小規模ということなんですよ。
特に基準がある訳ではないんですけど、えーと、何だっけ?
はい…。戸数が50戸くらいまでが小規模、50から100戸くらいまでを中規模、それ以上を大規模マンションと言うことが多いようです。これには明確な定義がある訳ではないんですけど…。
でも「大規模修繕工事」と言う場合には、そういった戸数の規模とは関係なく法律上の定義があるんです…。
マスターのお話を聞いて覚えたんですけど…。
(第13話「思いを致せば小籠包」参照)
ほんと、滝沢くん、マスターの話をよく覚えているよね!
それで今回はその戸数が小規模のマンションで、外壁や防水の補修工事など色々とやらせてもらっているんですよ。
そうなのね。
それじゃあ小規模と言っても色々と大変なんじゃない?
そうなんです。
外壁や屋上の防水・塗装など、様々な種類の工事をするとなれば現場に入る業者さんも増えますから、仕事の取り合いも大変なんですよ。
えっ!?業者さんが仕事の取り合いをしちゃうの!?
あはは!波さん、違いますよ!えーと、滝沢くん!
はい…!
まず、「取り合い」とは、例えば外壁と屋上の防水層など、異なる構造や部材が出会う部分のこと、もしくはその異なる構造や部材をうまく接合する処置のことを言うんです…。
それに加えて、各業者さんが同じタイミングで現場にいらした時の作業調整のことも「仕事の取り合い」なんて言ったりするんです…。
なんだぁ、びっくりした!
その取り合いをつけるのも大事な仕事という訳ね。
はい。それに業者さんだけじゃなくて、現場となるマンションには色々な方が住んでいらっしゃいますからね。
そういった皆様への気配りも大切なんですよ。ねっ!滝沢くん!
はっ、はい…!
最近では在宅勤務の方が私たちの工事中にお部屋で仕事をされていることもありますし…。
なるほど。
いろんな配慮が必要なのね!
あれっ?なんだかいい匂いが!
涼子さん、滝沢さん。今日もお腹が空いたでしょう。
ボリュームたっぷりのこちらをお召し上がりください。
あつ、これは…!山賊…。
えっ?山賊!?
そうです。山賊焼きです。
さぁ、ご飯も一緒にお出ししますよ!
うまい!にんにくの効いた醤油の香りが食欲を無限大に、、もぐもぐ!
おいしいです…!もぐもぐ…!
ありがとうございます。山賊焼きは滝沢さんのご実家のある長野県松本市やお隣の塩尻市の居酒屋で人気のご当地メニューですね。
醤油・お酒・みりんにすりおろしたニンニク・玉ねぎなどを混ぜ、そこに骨付きのもも肉を漬け込んで片栗粉を衣にして揚げています。
もともとは地元の食堂で考えられた料理ですが、今ではご家庭やスーパーの総菜としても広く楽しまれているそうですね。
そうなんです…!この前実家に帰った時も食べました。
家に着くと、外まで山賊焼きを揚げる匂いがしてきて…。
それはよかったわね!家に帰った時、外まで晩ご飯の匂いがしてくると「ただいま!」って気持ちになるのもね!
なるほど!だから滝沢くんは「たすかるドア」だったんだね!
あらっ、清水さん。いらっしゃいませ!
こんばんは~。
なんだか外までいい匂いがしてきたから、つられて入って来ちゃったよ。
それで「どこでもドア」がどうしたって?
清水さん、ちがいますよ!
「たすかるドア」でっす!
そうそう。その「たすかるドア」って何かしら?
いま食べている山賊焼きと関係があるものなの?
僕はとりあえず生ビールと、その山賊焼きってのをもらえると“たすかるドア”!
はいはい、、。
マスター、生一丁と山賊焼き追加!
それで涼ちゃん、「たすかるドア」って?
はい。いま工事をしているマンションでも設置施工している「耐震ドア」のことなんですよ。
ねっ!滝沢くん!
はっ、はい…!
【「たすかるドア」~いざという時に命を守る耐震ドア!~】
通常の玄関ドアは地震の激しい揺れで扉や枠がゆがむと開閉が困難となり、避難や避難後の防犯にも心配があります。また、従来型の耐震ドアでは横揺れのみに対応しており、直下型地震による激しい縦揺れは弱点となっていました。
直下型地震対応耐震通風ドア「たすかるドア」は、これらの問題を解決した新発想の耐震玄関ドアなのです。
①扉の中にもう一枚の避難扉。玄関扉が開かなくなっても避難扉から避難可能。
②避難後も避難扉は施錠可能。火事場泥棒被害も防止。
③避難扉は日常の換気窓としても使用可能。網戸と侵入防止用の格子も装備。
④施工に特別な工事は不要。低コストでリフォームも兼ねた安全対策が可能に。
(※くわしくは「耐震ドア取り換え工事「たすかるドア」」をご覧ください!:https://www.tokyo-aqua.co.jp/business/fittings/tasukaru-door/)
なるほど!それで「たすかるドア」なのね。
清水さん、生ビールお待たせしました。山賊焼きもどうぞ!
ぐびぐび!うまい!
「たすかるドア」、うちのマンション管理組合のメンバーにも教えてあげよう。
それで、山賊焼きと「たすかるドア」がどうつながったの?
そうなんですよ。
実は今回のマンションの工事では、当初の現調(第12話「コップ一杯の気持ち」参照)の段階では「たすかるドア」の導入予定はなかったんです。
それをお腹を空かせた滝沢くんが、ねっ!滝沢くん!
はっ、はい…!実は現場のマンションを拝見していた時、ちょうど晩ご飯の支度の時間にさしかかって…。
換気対策のためか少し開けた玄関ドアからおいしそうな匂いがしてきたんです。
そしたら実家に帰ったとき、玄関の外まで山賊焼きの匂いがしてきてホットしたことを思い出して…。
それで先輩に「たすかるドア」を住人のみなさんに紹介したらどうかって相談したんです。
より安心してお住まいいただきながら、ほっとする毎日も過ごしていただけるんじゃないかと思って…。
それで工事の説明会の時に滝沢くんが住人のみなさんへご提案したんだよね!
そうしたら何軒かのお家で採用していただけてね!
それはよかったね!
住人のみなさんにも喜ばれたんじゃないかな。
よーし、うちのマンションにも滝沢くんに来てもらおうかな!
いえいえ…。
まだまだそんな…。
でも、そこに住まわれている方の気持ちまで考られる、滝沢くんのそんなところ私好きよ。
えっ!?
えっ!?
涼子さん、では今日もここで…。
お疲れ様でした…!
固い固い!
もう涼ちゃんって呼んでね、ではまた明日!
う~ん、青春だな~。
これは沢辺さんに報告だ!
相手を思う気持ちがなければ良いものは出来ない、でしたね!
でも、どうしてマスターは山賊焼きのことを?
今日はあんまり出番が無かった。。。
<第19話 完>
※本ストーリーはフィクションであり、実在の人物・団体との関係ありません。