漏水の意外な原因と防水補修工事の話 ~前編~
久しぶりの現場ブログは「漏水をなんとかしてほしい」から始まった壮大な戦い(?)と防水の復旧工事をご紹介します。
漏水は、もちろん、予想していて発生するものではないのですが、特に鉄筋コンクリートのビルなどはなんとなく「漏水なんて起きないだろう(イメージ)」の方、多いのではないでしょうか?
しかし実際には、ビルやマンション内の配管の異常、窓の周りのシーリングの劣化、などさまざまな原因によって引き起こされます。
今回は「頑丈なつくりの建物でも、ほんのわずかなスキマさえできれば水は侵入してきてしまう」という典型例かと思います。
前編は原因究明、後編は復旧工事になっています。ぜひお付き合いください。
こちらのビルの屋上はアスファルト防水の上にコンクリート押えという、一般的な防水が施工してありました。

漏水している直上付近のエアコン室外機架台のまわりの様子です。
なんだか立派な雑草が生えています。
エアコンの室外機からのドレン水の状況です。
どうやらこの水が室内に漏れているようです。
お客様にご提案の上、部分的に押えコンクリートを撤去して漏水原因を探りつつ、防水補修をすることになりました。
漏水の原因は…?
押えコンクリートを撤去して、アスファルト防水が見えると…表層のアスファルト防水に雑草の根が!しっかり根を張っています。
押えコンクリートの下に断熱材がありましたので、断熱材も撤去。
さらにアスファルト防水の表層まで撤去してみましたが、根はさらに下まで伸びています。
アスファルト防水層VS雑草
ここからいよいよ本格的に防水層を切除していきます。
少しずつアスファルト防水層を剥がしてみると…
しっかり雑草の根がアスファルト防水に侵食しています!(´;ω;`)
浸食した根を追いかけてアスファルト防水を全て剥がした結果、このようになりました。
このあと、復旧工事も行いましたが、そのお話は後編で。
日々のメンテナンスで防水層を維持
結局、雑草の根が防水層を貫通してしまったのが、今回の漏水の原因でした。
雑草のチカラはすごい、と驚きますが、このようなことにならないためにはどうしたらよいのでしょうか?
雑草を生やさないようにする
↑
土埃などを溜めないようにする
(風で雑草の種子が飛んできて、そこから生えてきます)
↑
定期的に掃除をする
ドレン(排水口)のまわりや今回のような架台(エアコン室外機や配管などを設置しているコンクリートの台)のまわりは、凸凹になっているため土埃などが溜まりやすくなります。
定期的に屋上のチェックと清掃をすることで、防水層を守ることになります。
簡単なことですが、立ち入り禁止の屋上の場合、メンテナンスを忘れがちになるのかもしれません。
一度水が入ってしまうと、躯体(コンクリートと鉄筋)も傷み、建物へのダメージも大きくなってしまいます。
大切な建物を長く使うためにも、気をつけて行きたいですね。
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